若手医師のキャリアの考え方:2030年問題とAI時代を見据えて

医師・キャリア

こんにちは、MKです。今日は若手医師がこれからのキャリアをどのように考えていくべきかについてお話しします。日本の医療業界は2030年に向けて大きな変化を迎えようとしています。医師不足や医師の偏在、働き方改革、医療費の増大などの課題がある一方で、AIやロボティクスなどの新技術の進展も進んでいます。これから医師を目指す若者や若手医師がキャリアをどのように考えるべきか、私自身の経験を交えてお伝えします。

1. 将来の需給バランスを見極める

需給バランスの変動: 厚生労働省の医師需給分科会の推計では、2024年頃に医師の需給が均衡し、2033年頃には過剰になる可能性があります​ (M3)​。この過剰状態は、医師が働く場を見つけるのが困難になる「ワーキングプア」状態を引き起こす恐れがあります。若手医師は、需給バランスの変動を注視し、需要の高い分野や地域でキャリアを築くことを検討するべきです。

2. AI時代を見据えた診療科選び

AIの進化と診療科選び: AI技術の進展により、簡単な診断やルーチンワークはAIが代替する時代が到来します。これにより、特定の診療科では医師の需要が大幅に減少し、経済的に厳しい状況に陥る可能性があります。例えば、放射線科や皮膚科などの診断業務が中心の診療科は、AIの影響を強く受けるかもしれません。若手医師は、技術の進化を見据えた診療科選びが重要です。

3. 高度な専門性と柔軟性の両立

高度な専門性の追求: AIに代替されにくい分野、例えば外科手術や緊急医療、精神科などの診療科を選ぶことが考えられます。これらの分野では、高度な技術や人間性が求められるため、AIの進化にも適応できる可能性が高いです。

柔軟なキャリアパスの構築: ひとつの専門分野に固執せず、複数の専門性を持つことや、医療管理や教育、研究などの幅広いキャリアパスを模索することも有効です。柔軟なキャリアパスを持つことで、医療の進化や社会の変化に対応しやすくなります。

4. 地域医療への貢献

地域医療の重要性: 都市部では医師が過剰になる一方で、地方や過疎地では依然として医師不足が深刻です。地域医療に貢献することで、社会的意義を感じながら安定したキャリアを築くことができます。また、地域医療への貢献は、医療従事者としての責任感や人間性を高める機会にもなります。

5. 持続可能な働き方の実践とAIの活用

働き方改革の推進: 長時間労働の是正や女性医師の働きやすさの向上は、医療の質を高めるために重要です。自分自身の健康と生活の質を維持するためにも、持続可能な働き方を実践することが大切です。

AIの活用: AI技術を上手に利用することで、医師の働き方改革が進む可能性があります。AIは時間効率を大いに高めてくれるため、自分のスキルやキャリアを高めるための時間を確保することができます。例えば、AIがルーチンワークを担当することで、医師はより高度な診療や患者とのコミュニケーションに集中できるようになります。

私の経験から

私自身、外科医としてのキャリアの中でAIの活用を直接的に経験する機会はまだまだ少ないですが、研究者・起業家としては様々な調査やリストアップなどの業務においてAIを活用しています。例えば、資料作成や論文作成、医療機器開発における市場性調査や競合調査など、膨大な時間を要する作業をAIによって短時間で効率的に行うことができています。

AIを利用することで、自分の仕事の時間効率を極限まで高めることができ、結果として自分のスキルアップに時間を費やすことが可能となりました。医療現場でのAIの導入が進む中で、私たち医師はAIを上手に活用し、自分のスキルをさらに高めていくことが求められます。AIに使われるのではなく、上手に活用していくことが重要だと感じています。

まとめ

若手医師は、2030年問題とAI時代を見据えて、キャリアを柔軟に考える必要があります。需給バランスや技術の進化に注視し、需要の高い分野や地域でキャリアを築くこと、高度な専門性と柔軟性を持つこと、地域医療への貢献を考えることが重要です。また、AIを上手に活用することで、自分のスキルやキャリアを高めるための時間を確保し、持続可能な働き方を実現しましょう。これにより、医療の進化や社会の変化に対応しながら、自分自身の成長と満足のいくキャリアを実現できると思っています。

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